長時間に及ぶ話し合いで芝居の細部を詰めていく
それぞれの登場人物が大人になるまで会わない間、どういう気持だったのかをひとりひとり考えなければなりませんでした。そしてそれを共有しなければならないし、しらなくてもいい部分もあるし。だから、現場にインする前に、お互いの解釈を話し合う時間が4,5時間……でした」
3人が揃うシーンでは、「2人からもらえるものがあった」と、絶大な信頼を寄せる。
「3人のシーンはすごく難しかった。各々がどういうふうに役について考えてきて芝居に落とし込んでくるか、にすごく時間がかかっているから。だからこそ現場で、”もしかしたら、自分、違うかも”と思ったときに、大東くんや石田くんの表情を見て、"あ、こっちかも”とやっていきました。おそらく僕だけじゃなく、大東くんも石田くんもそういう部分はあったと思います」
ーーとても生っぽい現場だったんですね。
「生でしたね」
フレキシブルに変化した末にできあがった3人の独特の空気感は、リスペクトし合う3人だからこそ生まれたものだったようだ。
高良健吾(こうら・けんご)
1987年11月12日生まれ、熊本県出身。2006年に『ハリヨの夏』で映画デビュー。2011年に映画『軽蔑』で第35回日本アカデミー賞新人俳優賞、翌年に映画『苦役列車』で第36回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。2013年には映画『横道世之介』で第56回ブルーリボン賞主演男優賞・第23回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞した。主演映画『罪と悪』やNetflix『忍びの家 House of Ninjas』が配信中。Prime Video「1122 いいふうふ」(2024/6配信)が控える。
映画『罪と悪』
オリジナル脚本で描く罪の真実と正義の在り方を解く、本格ミステリー。
何者かに殺された14歳の少年、正樹。彼の遺体は街の中心のある橋の下で発見された。同級生の春・晃・朔は、正樹を殺した犯人と確信した男の家に押しかけ、もみあいになる。そして男は1人の少年に殺される。彼は家に火を放ち、事件は幕を閉じたはずだったーー。
監督・脚本:齊藤勇起
出演:高良健吾 大東駿介 石田卓也
配給:ナカチカピクチャーズ
(C)2023『罪と悪』製作委員会
2月2日(金)全国公開