物心ついた子どもの耳に、家族以外でもっともはやく馴染む声の持ち主といえば、戸田恵子さんにほかならない。声優として国民的アニメ『アンパンマン』をはじめとするさまざまなアニメの声優を担当し、老若男女に愛され続ける戸田恵子さんのTHE CHANGEとは。【第3回/全3回】

戸田恵子 撮影/冨田望

 

 国民的アニメ『それいけ!アンパンマン』の声優のほか、名バイプレイヤーとして連続ドラマで見ない日はない戸田恵子さん。3月12日からはミュージカル『20世紀号に乗って』の公演もスタートするなど、多忙な日々を送る。

 なかでもやりがいを感じているのは、毎年秋に開催される日本最大規模の子ども国際映画祭『キネコ国際映画祭』でのジェネラル・ディレクターとしての活動。「毎年、来年はやらない! と思うほど」労力を使うというが、子どもたちの声を直接浴び、「目の前で子どもたちのパワーを受けるとこっちもうれしいし、やった甲斐があるなあと思うんです」と話す。

「声をあげることは、海外の映画ではよくある光景なんですよ。たとえば男の子が女の子にジャケットをかけてあげる……なんていう淡い恋のシーンがあると、全員が“ヒュー!”と声を出したりね。すてきだなあと思って」

ーー感情が感じられると、とてもすてきですね。

「そうなんですよ。観る人の感情がダイレクトに伝わってくるのって、楽しいんですよね」