「こういう自分がいるけど、受け入れていくしかない」
ーー自分を知るという作業は、確かに、きれいごとだけではできませんよね。自分に幻滅したときが、乗り越えどきだと思います。
「もう受け入れていくしかないですよね。"こういう自分がいるけど、仕方ないな”というふうに、どうにか持っていかなきゃいけない。それこそ、役はいい奴ばかりじゃないから、しんどい役をやったときに意外と自分の中で理解できたり共感できると、"俺って、やっぱりこういうところがあるんだ……”と思ったりもするし。だから、ケアする時間がないといけないのだろうな、と思います」
ーーそういうとき、どんなケアをしていますか？
「シンプルに休むか、どこか旅行に行きます」
ーー最近はどちらに行きましたか？
「九州に行ったり、仕事で尾道映画祭に行きました。すぐにできることといえば、自転車に乗るとか、散歩をするだけでも充分に”ケア”ですね」
「わからない」ことや、「自分ってこういう人間なんだ」という気づきを得たり、そしてしっかり休むこと。こうして自分自身に真摯に向き合う高良さんだからこそ、そのお芝居がさまざまな人を魅了するのだろう。
高良健吾（こうら・けんご）
１９８７年１１月１２日生まれ、熊本県出身。２００６年に『ハリヨの夏』で映画デビュー。２０１１年に映画『軽蔑』で第３５回日本アカデミー賞新人俳優賞、翌年に映画『苦役列車』で第３６回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。２０１３年には映画『横道世之介』で第５６回ブルーリボン賞主演男優賞・第２３回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞した。主演映画『罪と悪』やＮｅｔｆｌｉｘ『忍びの家 Ｈｏｕｓｅ ｏｆ Ｎｉｎｊａｓ』が配信中。Ｐｒｉｍｅ Ｖｉｄｅｏ「１１２２ いいふうふ」（２０２４／６配信）が控える。
映画『罪と悪』
オリジナル脚本で描く罪の真実と正義の在り方を解く、本格ミステリー。
何者かに殺された１4歳の少年、正樹。彼の遺体は街の中心のある橋の下で発見された。同級生の春・晃・朔は、正樹を殺した犯人と確信した男の家に押しかけ、もみあいになる。そして男は１人の少年に殺される。彼は家に火を放ち、事件は幕を閉じたはずだったーー。
監督・脚本：齊藤勇起
出演：高良健吾 大東駿介 石田卓也
配給：ナカチカピクチャーズ
（Ｃ）２０２３『罪と悪』製作委員会
２月２日（金）全国公開
