ドラマ共演の先輩たちとプライベートでも
――たとえばどんな。
「食事に連れて行っていただいたり、車に乗せてもらったりもしましたし。あと僕の主演映画が公開されたときも、舞台挨拶の記事がネットに出たのを“見たよ”“頑張ってるな”とメールで送ってきてくださいました。そのたびに“ああ、こういう人になりたいな”と思いましたね。『ドラフトキング』って、それこそ若手をスカウトしていく話なので、出ている役者もたくさんいるんです。それをムロさんは、みんなとちゃんと付き合って、ご飯に連れて行って」
――なかなかできることではないですね。
「僕は中でも特に可愛がっていただきました。年明けのときにも、ムロさんと仲のいい方たちがたくさんいるところに呼んでいただいたりして。ムロさんと出会ったことで、もっと人に優しくありたいな、もっと人に愛情を与えられて、自分も愛される人でいたいなと思うようになりました」
――とてもいい影響を受けたんですね。
「周りからも、ムロさんに会ってから丸くなったと言われることが増えたんです。やっぱり、どうしても、“俺はこれをやってるからかっこいい”とか、トゲトゲしているのがかっこいいとか、変に“これしかやらない”と固まった考えになったり、いわゆるかっこつけた感じをいい男だと思ってしまう時期もあると思うんです。ほかの人にいらないライバル心を持ったり。
そういったことを、ムロさんと出会ったことでいらないと感じたんです。懐の広い人でありたいし、みんなに愛されたほうがいい。僕らはテレビや映画をたくさんの人に見てもらうわけですし、よりそういう人でなければいけないと思います」
――実際に周りから「変わった」と言われたというのは、かなりの変化ですね。
「久しぶりに会った友達にも“功(かつ)、丸くなったね、優しくなったね”と言われました。具体的に何かしようと思ったわけじゃないんですけどね。それに、時期的に、ムロさん以外にもいろんな先輩方によくしていただきました」
――いろんな先輩方とは。
「坂口健太郎さんとか、鈴木亮平さん、黒木華さんといった方々とご一緒する機会がありましたし、三浦貴大さんにもとてもよくしていただいています。僕、去年の末に写真集(『かつ』)を出したんですけど、そのことをInstagramに投稿したら、三浦さんが“買うわ”ってコメントしてくれたんです」
――そうなんですね!
「あんな大先輩が、ですよ! すごく嬉しいですよね。ほんと優しいなって思います。一昨年から去年はそういう、一線で活躍されている先輩方から、大きな影響を受けた年だったなと思います」
そうやって可愛がってもらえるのは、兵頭さんが、先輩方ときちんと関係を築いているからこそだろう。
ひょうどう・かつみ
1998年4月15日生まれ、福岡県出身。2018年、GYAOとAmuse共同実施のオーディション、第1回「NEW CINEMA PROJECT」の出演者部門でグランプリを受賞。翌年、『五億円のじんせい』で俳優デビューを果たし、同年の特撮テレビドラマ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』カナロ/リュウソウコゴールド役でテレビ初出演、注目を集める。23年、ドラマ『下剋上球児』で演じた根室知廣役でブレイク。ほか主な出演作に映画『消せない記憶』『愛のゆくえ』、ドラマ『ブルーバースデー』『ドロップ』『ドラフトキング』『CODE-願いの代償-』など。主演映画『18歳のおとなたち』が公開中。さらに『みーんな、宇宙人。』が控える。
映画『18歳のおとなたち』
監督・編集:佐藤周 脚本:磐木大
出演:兵頭功海、三原羽衣、黒田昊夢、久田莉子、黒田アーサー、中島知子、雛形あきこ
(C) ゴールデンシネマ
配給:TOHOシネマズ新宿ほか 公開中