「料理をするようになったんです」

「料理をするようになったんです。それまでは自分で料理を作って食べるなんて夢にも思
っていませんでした。ただ、外食ができないから美味しいものが食べられない。だったら自分で作るしかないなと」

 どこか、フランス王妃・マリーアントワネットを想起させる紫吹さんのお言葉だが、背に腹は代えられないとあってか奮起したようだ。最近作った料理を尋ねると、

「母の日に実家で三國清三シェフ(オテル・ドゥ・ミクニ)のYouTubeを見て豚バラ肉とキャベツを使ったポテ(煮込み料理)を作りました。それとお肉を使わないサバと豆腐のサババーグ。美味しかったです」

紫吹淳 撮影/冨田望

 紫吹さんらしいエレガントさが料理にも表れているが、そこには、元タカラジェンヌなりの美へのこだわりがあった。

「コロナ禍で外食ができなくなって運動して、早寝早起きをしていたらすごく痩せてしまったんです。年齢的にも痩せすぎると年老いて見えてしまう。外食は大好き。ただ、自分が体に取り入れる物には気を使っています」

 数年前までは包丁も握ったことがなかった紫吹さんだが、いまや食材や栄養分にまでこだわる料理通だ。

「たとえば、ピーマン。肌トラブルにも良いですし、ビタミンCが豊富ですよね。砂糖の代わりにはハチミツ。味付けは塩分も控えて、お酒とお醤油、オリーブオイルと決まっています」