舞台人として体に向き合い続ける

 自身の体と向き合い続ける紫吹さん。そんな彼女に「THE CHANGE」がおとずれる。

「坂本昌行さんが主演されている『THE BOY FROM OZ』(東京グローブ座)というオーストラリアのシンガーソングライターの生涯を描いた舞台があるんです。

 そこに毎回ライザ・ミネリの役で出演させていただいているんですが、14年ぶりとなった再再再演はさすがに厳しいかなと。体のラインがピシッとでるマイクロミニを着て踊れるかと悩んだのですが、演じられました」

 こうして踊りきれるのも長年の鍛錬の賜物だと紫吹さんは語る。

「宝塚時代は1か月間、10キロはあろうかという衣装を身に着けて踊るんです。その時に比べたら、いまなんて本当に楽です。『THE BOY FROM OZ』の初演は宝塚を辞めた1年後だったので、踊れて当然でした。いまもそれが続けられるのは、宝塚時代があるからだと思います」

 宝塚で月組トップスターを3年間務めたその実績は伊達ではない。生活環境の「CHANGE」すらも、自身が成長するチャンスととらえ変化を続ける紫吹さん。今後もさらなる輝きを舞台上で見せてくれるはずだ。

■紫吹淳(しぶき・じゅん)
 1968年、11月19日生。群馬県出身。86年に72期生として宝塚歌劇団に入団、01年に月組トップスターに就任。04年3月に退団後は女優として活動を開始。主な出演作に『王様と私』『グッバイガール』『THEBOY FROM OZ』『細雪』など。23年にはBSーTBSのドラマ『ママはバーテンダー~今宵も踊ろう~』でドラマ初主演。