ファンからの嬉しい差し入れも

 トップスターになる前にベルリンで主演をさせていただけたことはすごくありがたいことだったんですけど。当時の私には荷が重かった。まして海外公演の、各組からの選抜メンバーで行ってるので、やっぱりずっと一緒に歩いてきた気心知れる仲間じゃないという不安もあるので、そんなのも影響したのかなって」

 異国の地で歌劇団の仲間とともに力を注いで舞台に立っていた紫吹さんだが、日本から駆け付けたファンの方々からうれしいサポートもあったという。

「実は私の場合、ベルリンで実質トップスターとしてのお披露目になったので、ファンの人はみんな来てくれました。私は公演後に宝塚の“花のみち”(※)にある『ポピー』のイチゴジュースを飲むのが何よりの楽しみだったんですが、ファンの方が冷凍して空輸して、ベルリン公演チーム全員分差し入れしてくださいました」

 宝塚時代に健康のありがたみを実感した紫吹さん。「変化、チェンジ」という言葉について紫吹さんが思い浮かぶことを伺うと「やっぱりチャンスとか、そういうことじゃないですかね。新しいこと、変わることってリスクは伴うかもしれませんが、新たな自分に出会えるっていうことも楽しみの一つじゃないかな」と語ってくれた。これからも女優・紫吹淳が進化しつづけるのは、間違いないだろう――。

※花のみち:兵庫県宝塚市にある、阪急宝塚駅から宝塚大劇場を結ぶ道路のこと。

■紫吹淳(しぶき・じゅん)
 1968年、11月19日生。群馬県出身。86年に72期生として宝塚歌劇団に入団、01年に月組トップスターに就任。04年3月に退団後は女優として活動を開始。主な出演作に『王様と私』『グッバイガール』『THEBOY FROM OZ』『細雪』など。23年にはBSーTBSのドラマ『ママはバーテンダー~今宵も踊ろう~』でドラマ初主演。6月9日、10日にはコットンクラブで3回目となる『JUN SHIBUKI Music Voyage 2023 in LONDON』を開催予定。

■『JUN SHIBUKI Music Voyage 2023 in LONDON』
 6月9日(金)/6月10日(土)東京・丸の内 コットンクラブにて開催
出演者:紫吹淳 (vo)/栗山梢 (p)/伊東達也 (b)/小野裕市 (ds)/塩崎容正 (g,key)/白鳥春日 (cho)/青木梨乃 (cho)