「もう“死ぬ”とは言えないですね」

 そして、4月20日にはでんぱ組.incが「2025年頭にでんぱ組.incとしてのエンディングを迎える」と発表。ファンたちからは驚きとともに、いままでの活動に対して〈お疲れさまでした〉〈でんぱ組は私の青春です〉といった声がX(旧ツイッター)上に多数寄せられた。

 未鈴さんは、ずっと「アイドルをやめたら死ぬ」と公言してはばからなかったが、今もその気持ちは残っているのだろうか。

「以前は、“アイドルをやめたら死ぬ”って言っていたんですが、もう“死ぬ”とは言えないですね。本当に、それまでの私の人生ってでんぱ組.incしかなかったので、グループでの活動がなくなると“なにをすればいいのかな?”って戸惑ってしまうところもあります。

 振り返ってみると、私は子どもの頃に習い事をたくさんやらせてもらっていた。ピアノ、クラシックバレエ、新体操……。色々なことを体験させてもらった中で、ダンスが自分のなかで大きかった。アイドルになる前は、ディズニーランドのショーダンサーに憧れていました。それは親がディズニーランドに何度も連れて行ってくれたから。親が私に色々な選択肢を与えてくれていたことを、大人になって感謝しています。だから私も同じように息子に、やりたいことの選択肢を色々と与えてあげたら良いなって思っています」

 未鈴さんに、今後の希望を訪ねてみると「息子にも自分と同じような経験をさせたい」と語り始めた。

「たとえば、サッカーとか、ピアノとかダンス……。そのためには、送り迎えも必要になるからめちゃくちゃ大変。今、夢を持ち続けるのって難しいなって思います。

 でも子どもが夢を持てる力があると、きっと精神的にも強い子になれるって感じました。だから親として、子どもが夢を持つ手助けをしたいと考えた。私の次の人生にやるべきことって、息子の人生のお手伝いなのかなって最近思っています」

古川未鈴 撮影/冨田望