「暴走したい気持ちも芽生えてしまった」
だからその鬱屈した状態から飛び抜けたい感情がどこかにあって、正義感とは別に、暴走したい気持ちも芽生えてしまった。どちらに向かっていいかわからないような状態になっているのではないかと僕は解釈しています」
この鬱屈した思いは、松本まりかさん演じる看護師の豊田佳代に向けられる。この複雑な濱中の胸中について福士さんはこう分析する。
「こういった状況というのは、実は同世代の多くの人が感じるところかもしれないですよね。社会という波になんとなく揉まれていくと、自分自身を表現したいけれど、どうしても押し潰されてしまうこともあると思います。
僕は役者なので、ある程度は自分を表現する瞬間があると感じています。圭介と比べると、そこは満たされている部分もあるのかもしれません」
役者として様々な心情を表現していくことが、迷い苦しむ自分自身の生き方をも支えている。福士さんの言葉には、この難役を見事に果たし終えた充足感のようなものも感じられた。
ふくし・そうた
1993年5月30日、東京都生まれ。’11年にデビューして以来、数々のドラマや映画などで活躍。近年の主な出演作には、ドラマ『大奥シーズン1、2』、『弁護士ソドム』、『アイのない恋人たち』など。昨年Huluオリジナル『THE HEAD Season2』では、念願の海外進出を果たした。また、WOWOW『アクターズ・ショート・フィルム』では、初監督作品『イツキトミワ』を手掛けた。5月17日から公開の映画『湖の女たち』では、いままでにないダークなイメージのキャラクターにも挑戦している。
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映画『湖の女たち』
『日々是好日』、『MOTHER マザー』の大森立嗣が監督・脚本を手がけ、作家・吉田修一の同名小説を映画化したヒューマンミステリー。
ある介護施設で、100歳の老人が何者かに殺害された。事件の捜査にあたった西湖署の若手刑事・圭介とベテランの伊佐美は、施設の中から容疑者を挙げ、執拗な取り調べを行なっていく。その陰で、圭介は取り調べで出会った介護士・佳代への歪んだ支配欲を抱いていく。一方、事件を追う週刊誌記者・池田は、この殺人事件と署が隠蔽してきたある薬害事件に関係があることを突き止めていくが、捜査の先に浮かび上がったのは過去から隠蔽されてきた恐るべき真実・・・。それは、我々の想像を超えた過去の闇を引き摺り出すー。そして、後戻りできない欲望に目覚めてしまった、刑事の男と容疑者の女の行方とはー。
配給:東京テアトル、ヨアケ
劇場公開日:2024年5月17日