全員が傷ついて、そして今、全員が頑張っている

――放送作家を辞めるきっかけになった「チェンジ」というと、SMAPとの仕事という背骨がなくなってしまったからでしょうか?

 チェンジという面からいうと、番組が終わった瞬間もそうですが、一番は、謝罪放送があった瞬間です。謝罪放送があった瞬間、小説の中にも書きましたが、「たぶん放送作家としての僕が死んだ」と。気づいてなかったですけどね、死んだことに数年。だけど、おそらく、そのときに放送作家として死んだんだと思いますね。

――小説の中にもありますが、鈴木さんがメンバーと話し合って作った本(台本)に対して、事務所のトップの1人から「強烈なダメ出し」があったことが原因でしょうか?

 単純にあの放送をしてしまったことですね。あの放送をして、たくさんの人が悲しんだじゃないですか。自分も作りたくないものだったし。でも、とんでもないものが放送されて、どう考えても、あれは平成のテレビ史というか、日本の芸能テレビ史において、ある意味、歴史に残る瞬間ですよね。放送されてしまったんだから、テレビで。
 だから、あの放送が流れた瞬間、放送作家としての自分が死んだんです。芸能界が変わったのは、あそこからじゃないかと思います。2016年のあの放送があって、世の中の人々の頭の中にたくさんのハテナ、疑問符がついて。「何なの、これ? おかしくない?」と思って、そのハテナがいろいろと膨らんでいって、芸能界が変わって、ついに爆発したんだと思うんですよ。
 だから、あの放送って、すごいんですよね。いろんな人の“念”を背負っていると思うんだけど、あの瞬間、芸能界が変わったと思うんです。どこが変わったきっかけと言われたら、あそこじゃないですかね。
 
――メンバー5人も大ダメージを受けました。

メンバー全員が傷つきました。全員が傷ついて、みんな傷つき方が違うけど、全員の正義があって、全員が傷ついて、そして今、全員が頑張っていると思うんです。もちろん、スタッフも全員、傷ついたし。