“漢”という言葉がこれほど似合う男はいないだろう。俳優・市原隼人。『WATER BOYS2』、『ROOKIES』といった学園ドラマでの熱いキャラが印象的な市原さんだが、近年では『鎌倉殿の13人』、『正直不動産』などではスマートで大人のキャラを好演している。そんな市原に「THE CHANGE」について聞いてみた。【第2回/全4回】

市原隼人 撮影/有坂政晴

 初めての映画『リリイ・シュシュのすべて』で主演を務め、撮影の楽しさに目覚めたという市原さん。芝居に対しての気持ち(想い)に大きな変化をもたらす出来事があった。

「10代後半から20代前半の頃にファンレターを戴くようになったんです。その中には『重い病気に罹って、あと何か月しか命が無いんですけど、市原さんの笑顔を見ると頑張れるんです』とか『親子の会話が無かったんですけど、市原さんの作品を観たのがきっかけで会話が生まれました』とか『今日、目の手術で、もう見れなくなってしまうかもしれないですけど、最後に市原さん作品を見ようと思います』……などといった手紙もありました。読ませていただいたら涙が止まらなくなってしまって。それで思ったんです。こんな自分でも、人のために何か出来ることをやらせていただけているのはすごく贅沢なことだと。そうして、初めて本気になって芝居に取り組むようになりました」