目の前のことに精一杯向き合うことで、次につながっていった

 「柚希さんのような男役を目指す俳優もいたのではないですか」という問いかけには、はにかんでこう答えた。

「そう思ってくれる子がいるなんて、本当に嬉しく幸せなことです。自分自身は昔から、“どのような男役になりたいですか? “っていう質問をされるのがすごく苦手で……。自分ではどんな男役が良いのかわからなかったですね。だから、新人公演も主役をいただいた作品もそうですが、これまでずっと目の前のことを一生懸命やっていたら、次につながってきたという感じでした。
 いまも、”どんな女優さんになりたいですか“って聞かれるのですが、ステキで面白そうな役ができたりすると嬉しくて、一生懸命に取り組んでいるだけなんですよね」

 宝塚在団中に行ったコンサートが、いまのソロコンサート『REON JACK』につながっていった。

「それまでお芝居とショーしか知らない世界で生きてきたのに、“3時間のコンサートで自分の魅力を出し切ってください”って言われて、なにをしたら良いのかわからないところから始まりました。それまでの、お芝居で役になりきったり、ショーでこういうふうにやってほしいと言われるのとは違って、自分の本当にやりたいことを出していくということを考えて、『REON!!』コンサートは始まっています」