ドロップキックがキレイに決まったときはめちゃめちゃ気持ちいい
ーー飛鳥さんを演じるうえで心掛けたことはありましたか?
「作品には、長与千種さんがスーパーバイザーとして参加されているので、飛鳥さんにまつわるお話を、長与さんからたくさん聞かせてもらいました。当時の本やビデオも拝見しましたね。私の中では、“長与千種を守る飛鳥さん”というイメージで、めちゃくちゃかっこいいんです。そこはすごく意識しました」
ーー本作の見どころは、やっぱりプロレス・シーン!
「プロレスラーの方に、技が当たった際に痛そうに見える方法をいろいろ教わりました。めっちゃ踏まれているのに、“なんでこんな痛くないの?”って(笑)」
ーーやるほうも、やられるほうもコツがあるんですね。
「そうなんですよ。技が当たるタイミングで息を合わせるというのは、芝居にも通じると思いました」
ーー実際にやってみて大変だった技はありますか?
「後ろ受け身がずっとできなかったんです。唐田えりかさん(長与千種役)のニールキックを正面から受けるときに、後ろを見ないで倒れるのが、怖かった。
私的に好きなのはドロップキックですね。怖かったんですが、すごくキレイに決まったときはめちゃめちゃ気持ちいいんですよ〜」
ーー試合のシーンももちろんありますが、印象に残っているのは?
「やっぱり、唐田さんとの試合のシーンですよね。2回、戦うんですよ。最初は、飛鳥さんがデビュー戦の相手に長与さんを選んだとき。もう1回は、クラッシュ・ギャルズとしてタッグを組んでいる中で行われたシングル・マッチ。そこでは飛鳥さんの葛藤も描かれていて……その対比が好きなんです。“なんで、こんなことになっちゃったんだ”っていう飛鳥さんのセリフが、とても印象的でした」
ーースターになる一方、失うものも描かれていました。
「そうなんです! スターとして、たくさんの人が共感してくれるものを掴み取るのはかっこいいけど、その一方で孤独とか、切なさや悲しさもあって」