俳優・和田正人の活躍は幅広い。朝ドラ『ごちそうさん』ではヒロインにかなわぬ片思いをする幼なじみを熱演。陸上競技の経験から『陸王』(TBS系)ではベテランマラソン選手を演じたり、箱根駅伝のゲスト解説者を務めたりしている、俳優・和田正人さんの「THE CHANGE」-転機となった瞬間に迫る。【第1回/全4回】

和田正人 撮影/小島愛子

 和田正人さんは大学の陸上競技部時代に第78回箱根駅伝の復路9区を走り、大学卒業後は企業の陸上部に所属していた。しかし、1年後に陸上部が廃部となり、俳優の道へ転進。2005年1月に本格的に俳優として活動を開始したのだが、和田さんが俳優になろうと思ったきっかけ、「THE CHANGE」となった瞬間とはなんだったのだろうか。

「陸上を中学から始めて、高校も全国高校駅伝行って、大学だと箱根駅伝で走ったり、インカレで上位に入賞したり。そのあと実業団に所属でき、野球でいうところのプロ野球の球団にドラフトで入れたみたいなことと一緒ですから、陸上の世界で頑張っていました。でもまあ、ケガも多くて」と、和田さんは当時を振り返る。

「実業団に行った1年目はほぼ8割ケガで走れなかったり、うまくいっていたというよりも、苦労してた時間の方が長かったんです。

 その中でも、僕らと同期で日の丸を背負って世界陸上、オリンピックに行く人たちもいるわけです。

 彼らと俺は何が違うのって思った時があって。体型が違うとか、育った環境が違うとか、もちろん色々ありますけれども、ざっくり思ったのは、彼らは例えば目の前に二十段の階段があったとしたら三段飛ばし、四段飛ばしで駆け上がっていくような人たちなんです。