19歳でミュージカルデビューをした味方良介さん。その後もさまざまな舞台に出演し、最近はドラマ・映画などの映像作品にも進出している。ミュージカルに憧れていた少年時代から現在まで、葛藤の連続だったという俳優人生の転機を聞いた。【第1回/全5回】

味方良介 撮影/有坂政晴

月9のオファーは「ビビった」

 通常の取材ではインタビュー後に掲載用の写真を撮影するのだが、今回はこちらの事情もあり、インタビュー前に撮影をお願いすることになった。味方良介さん(31)は取材場所に到着したばかりで、まだリラックスしていない様子。それでも、カメラの前で次々にポーズを決め、そのどれもが瞬時に決まる。長年のキャリアからくるプロの風格を感じた。

 その味方さんは現在、放送中のドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)に出演している。伝統ある月9ドラマへの出演。近年、映像作品への進出が著しい味方さんにとって、今作への出演は大きな転機になりそうだ。

ーー『嘘解きレトリック』が始まりました。味方さんが演じる端崎馨は、メインの鈴鹿央士さん、松本穂香さんにつぐ重要な役です。最初にオファーが来たときは、どう思われましたか?

「月9という枠は、僕にとってある種ドラマの代名詞のような存在で、子供の頃ワクワクしながら見ていました。だからこそ、レギュラー出演が決まったときは正直ビビりましたね。でも、どんな形であれ、みんなでいいものを作って、このドラマが月9という枠にとらわれず広がっていけば嬉しいです」

ーー長く舞台で活躍されてきました。映像作品で演じることには、もう慣れましたか?

「まだ慣れてはいないのですが、少しずつ勝手を理解してきたつもりですし、作品への順応は以前よりスムーズにできるようになった気がします」

ーー舞台と映像では、どのように違うのでしょう?

「個人的な感覚で言えば、舞台は後方の席のお客様まで、全幕通して感情を届けなければならないので、一挙手一投足がどうしても大きくなります。ただ、これを映像で応用すると、作品によってはオーバーアクションになってしまう傾向があるので、そこは抑えめに。そういった対応は苦労を重ねて少しずつ鳴らしているところです」