2人にしかわからない温度感
ーー『嘘解きレトリック』ではどうでしょう?
「僕の演じる端崎馨は、基本の感情表現を抑えめにという演出を監督からいただいたので、声色は優しく、表情や感情を出しすぎないように取り組んでいます。
ただ、鈴鹿央士くんが演じる左右馬との二人の時間と、他の人といるときでは、質感を変えてほしいとも言われました。端崎と左右馬は他者よりも密な関係なので、二人でいるときは警官という鎧を脱いだ素の状態、他の人といるときは警官の鎧を纏い、まっすぐさを保つ。そんなキャラクターになるよう、撮影前のリハーサルで試行錯誤しました。」
ーー放送を見ましたが、端崎と左右馬が一緒に食事をするシーンは、和気あいあいとした雰囲気がありました。
「リラックスしてその場にいて欲しいという演出があったので、本当に友達と食事をしている感覚でやっています。深い関係だからこそ、食事も会話もいい意味で片手間に、例えば相手の目を見ずに食べながら喋ったり、作り込みすぎず、ラフな感じで演じています。
作品全体に流れる自然体な雰囲気というのは監督がとても大事にしていて、左右馬と端崎の関係は簡単に言えば親友という表現になりますが、それを超えた二人だけの空気感を出してほしいと言われました。今も撮影しながら、二人にしかわからない質感を探りながら作品作りをしています」