“黄色い猿は森に帰れ”
「フランスって自動車はほとんどパーキングが無いから基本は路上駐車なんです。で、路駐していたら“黄色い猿は森に帰れ”みたいなことが書いてあるメモを自動車に貼られていたことがありました。
また別の時はテラスが素敵なカフェがあったので入ったら、窓も何もない奥の部屋に通されたことがあって…。部屋に入ってみるとアジア人や中東のアラブ系の人しかいないんです。一応、最初に“外が良いです”って言えば、テラスに通されるんですけどね。
実際にこんな体験を受けるまでは、自分の中では人種差別ってアメリカのイメージが強かったんですけど、私たちも外国に行ったら差別の対象になるんだということを思い知らされて。結構なカルチャー・ショックでしたね」
結婚したタイミングで仕事からは一度離れた。それが第2の人生だった。
「その第2の人生っていうのは、毎日が学びでしたね。フランスに行った時にいま話した人種差別に遭ったのもそうですけど、そこで、日本人のコミュニティに入れてもらったんですよ。そこでは芸能人の加藤ローサではなく、ひとりの人として様々な人と関われたんです。それまでは、やっぱり整った環境で、整った場所で仕事をして、(友達は少なかったけど)仕事の合間に友達とご飯を食べに行ったりしてたんですけど、そういうことが全部無くなってしまって。子育てと主人のケアだけになってしまったので、本当にただの普通の人として色んな人に触れ合えたというのはすごく大きかったですね」