劇場で確かめたい、映画『正体』緊迫のクライマックスシーン!
──話せる範囲で、ぜひクライマックスシーンについても少し伺いたく。舞と鏑木が務めるケア施設で、大きな事態が訪れます。あのシーンのエピソードで印象的だったことを何か教えてください。
「あのシーンはかなり深夜に撮影しました。横浜さんや山田孝之さん、前田公輝さんたちのやりとりの横にいて、ただ圧倒されているみたいなところが多かったのですが、あそこは鏑木にアクションの動きがあるんですけど、とにかく横浜さんのアクションがすごくて。手を覚える速さが尋常じゃなかったんです」
──たしかに尋常じゃなさそうな気がします。
「私も打ち合わせを全部見られているわけではないんですけど、ある程度、テストの段階を拝見していて、“いまので覚えられたの!?”と思ったのをすごく覚えています。それから山田さんたち含め、みなさんの集中力がとてもじゃなくって。
あのシーンは、非常に劇的な瞬間なのですが、私はそこで何が起こるかを知っているのに、それでもそこで初めて目の当たりにしているような感覚になりました。しかも何度繰り返しても、同じ感覚になっていました」
──当然本編ではすごいシーンでしたが、撮影時の緊迫感も相当なものだったんですね。藤井組の現場の空気自体はどんなものだったのですか?
「和やかです。クライマックスシーンも、外でのシーンと2日間で撮影していたのですが、藤井組らしい和やかさは保ったままでした。吹き抜けのある空間で撮影をしていたのですが、“結構かかりますね~”なんて言いながら、待ち時間を過ごしてました。
声を荒らげる人もいないですし、藤井さんのやりたいことを、ひとつひとつ、みんなで無駄なく作っていくという感じの現場でしたね」