美しい見た目から繰り出される振り切った怪演に、「松本劇場」という言葉を生んだドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)から2年。松本若菜の2024年は、芸歴18年目にして『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)『わたしの宝物』(フジテレビ系)と、ゴールデンプライムタイムの連続ドラマ主演を連続で務めた、重要な年になった。飛躍を続ける松本さん。そのTHE CHANGEを改めて聞いた。【第3回/全4回】
2024年1月期の月9ドラマ『君が心をくれたから』(フジテレビ系)にはじまり、2クール連続のドラマ主演まで、大車輪の活躍だった2024年の松本さん。2025年も1月早々、映画『室町無頼』が控えるが、その前に豪華キャストが揃った『はたらく細胞』が公開中だ。
『はたらく細胞』は、アニメ版も話題を呼んだ、人気コミックが原作。実写版の映画でも、人間の体内で休むことなく働く細胞たちの奮闘が描かれる。赤血球を永野芽郁さんが、白血球(好中球)を佐藤健さんが演じ、監督は大ヒット作『翔んで埼玉』の武内英樹氏が務めた。
──オファーを受けたときの率直な感想を教えてください。
「武内監督がどんな『はたらく細胞』の世界観を作り出されるのだろうとすごく興味が湧きました。お話をいただいて、“ぜひ!”と二つ返事でしたね」
松本さんは自然免疫において重要な役割を担う、白血球の一種である「マクロファージ」役。物語上でもファンからも、マクロファージ“さん”と親しまれる、多くのキャラクターの中でも高い人気を誇る細胞である。
「調べれば調べるほど、マクロファージさんのファンがとても多くて。当たり前のことではありますが、それでも“これはちょっと、しっかりとキャラクターを自分の中に取り入れてから挑まないと!”と、一層感じました」
──キャストの情報がニュース解禁されたときも、松本さんがマクロファージさんを演じることが、好意を持って受け止められました。アニメ版のファンである私の友人も「わかる、わかる!」と言ってました。
「本当ですか? 嬉しいですね。アニメの声の感じも少し取り入れさせていただきました。それから独特の手の感じも。監督にやりすぎと言われるまでやった感じです」