この1月に23歳になる俳優・板垣李光人は、いまもっとも注目の若手俳優のひとりだ。20日にスタートしたドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)で、ゴールデン帯連続ドラマ初主演を遂げた。映画やドラマに引っ張りだこ、さらに昨年は個展も開催と、創造力がほとばしる板垣が、CHANGEを感じた瞬間とは。【第2回/全3回】

板垣李光人 撮影/冨田望 スタイリスト/五十嵐 堂寿 ヘアメイク/KATO(TRON)

 死者の記憶を映像で再現できる“MRI捜査”を行う科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”の室長・薪剛に扮(ふん)する板垣。薪はその明晰(めいせき)な頭脳と、MRIを通じて見た死者の記憶から重大犯罪を捜査していくが、同時に過去の記憶もフラッシュバックし壮絶な経験をしていく。

──今作は中島裕翔さんとのダブル主演。そして中島さんは、薪の親友の鈴木克洋と、後輩捜査員の青木一行の二役です。

「中島さんって、優しくて懐が深くて、中島さんとでなかったら薪の芝居を安心してできていなかったと思います。カメラが回っていない本番以外でも、全部受け止めてくれるんです。
 薪は鈴木について、トラウマのような悲劇を抱えて生きています。鈴木を思う感情的なシーンを演じきった後にも、(鈴木としての)中島さんの顔を見て、泣きそうになって。そこまで自分自身と薪の心情に近づくことができたのも、中島さんのおかげです」

──親友と後輩。中島さんが演じる一人二役を相手にするにあたり、意識したことはありましたか?

「薪と鈴木の場面を撮り終えてから、現代の薪と青木の場面に進みました。時間の行ったり来たりがなくて良かったですし、薪と青木が初めて出会うシーンでは、心がざわざわしました」