俳優・ミュージシャンとさまざまな顔も持つ佐野史郎が、いま、見つめているその先
さまざまな経験を重ねながら、表現への愛の純度と解像度を増していくように見える。そんな佐野さんが、この先取り組んでみたいテーマや気になる事象とは何だろう?
「おかげさまでクリアしなければならない具体的なことが山のようにあり、それで精一杯、というのが正直なところです。
それでも、なんていうのかな、自分の実人生もそうですし、歴史というか、いまの音楽にしても、映画にしてもなぜここに至っているのかということ。もし、それがダメだとしたら、どこから、なぜダメになってしまったのか。また、なぜこんな素晴らしいものがずっと残り続けているのかというわけを、ずっとたどっていきたいですね」

「例えば、僕がずっと好きだった山下達郎さんや大瀧詠一さんは、いまも愛され続けています。彼らは、徹底的にアメリカのルーツ・ミュージックをレコーディングの方法も含めて研究し尽くして、それを血肉化していきました。良いものはやっぱり残るんですよね。
あと、まだ多くの人には知られていないけど、これはすごく重要な事件だったんだなと思うものを、作品化したい気持ちはあります。いまの世の中を見ると、既得権益、効率ばかりに価値を見出し、他者を遮断して己の生存を守ろうとすることばかりが目立ちます。
なぜウソをついても平気でいられるのか、どうしてそんな人間になったのか……。少なくとも僕はそうした流れはイヤだけど、それを好きな人もいるんですよね。だから、求められていないかもしれないけど、そうした歴史の上で自分が引っかかっているもの、まさしく“THE CHANGE”となった出来事、事件はどうしても気になります。
それはきっと、唐さんがずっと続けていた近現代史や、なぜこんな国になったのかを探り続けていたことにつながるんです。師匠の死に対する、やっぱりまたこれもお返しをしたいという気持ちなんじゃないかなと思うので、少しずつでも学び続けようと思っています」
佐野史郎(さの・しろう)
1955年3月4日生まれ、島根県松江市出身。1975年、劇団「シェイクスピア・シアター」の創設メンバーとして参加し、1980年からは唐十郎氏が主宰「状況劇場」で活動。1986年、林海象監督のデビュー作『夢みるように眠りたい』に映画初出演で主演を務める。現在は、テレビドラマや映画、舞台、朗読など幅広い分野で活躍するほか、映画監督としても作品を発表している。1980年代半ばからはインディーズバンドを組んで、音楽活動を継続。2023年7月にリリースした佐野史郎 meets SKYE名義の『ALBUM』(コロムビア)は、2024年11月に『2024レコードの日限定盤 ALBUM』(FUJI)として2枚組アナログレコード化された。
◆作品情報
『ALBUM』
3300円 (税別3000円)
1.DREAM LAND
2.MELODY HOUSE
3.まどのそと 視聴
4.NOSTALGIA
5.KING KONG
6.悲しき熱帯
7.旅芸人の記録
8.彼岸花
9.ほほえみ
10.セントラルアパート
11.冬の街の夜空
公式サイト:https://columbia.jp/artist-info/sanoshiro/