盆栽に興味がある人は「まずは近くの園芸店などで手に入る、手軽なものから」

「盆栽に少し興味があるなら、はじめから高価な盆栽を買おうとせず、まずは近くの園芸店などで手に入る、手軽なものからはじめてみてください。僕の100歳を過ぎた祖母は、死が身近だから、花が咲くだけでありがたく感じて手を合わせるんですよ。そうじゃなくても、自分なりに愛情かけて何年も育てていると、盆栽の背景に、そのときどきに出会った人たちとの思い出が重なるんですよね。
 そんなふうに、盆栽と対話を重ねていくと、小さな盆栽が壮大に見えたり、いろいろな想像が膨らんできます。それも盆栽ならではの魅力ではないでしょうか」

 植物と対話しているからだろうか、鈴木さんと話していると森林浴をしているかのような心地よさを感じた。次回は、植物のように私欲のない鈴木さんに魅せられる、世界のセレブリティとの数々のエピソードを紹介したいと思う。

鈴木伸二(すずき・しんじ)
盆栽作家。1962年12月27日生まれ、長野県出身。趣味は、盆栽美術品と美術館鑑賞、映画鑑賞。サムスン電子盆栽技術顧問、第8回世界盆栽大会in さいたま メインデモンストレーター、(一社)日本水石協会理事、(一財)京都国際文化振興財団理事