今年で歌手デビュー30周年を迎える華原朋美さん。『I'm proud』をはじめミリオンヒットを連発した当時の思い出から、今だから語れる芸能界のウラ話まで……気になる話を直撃!【第2回/全2回】

華原朋美 撮影/小島愛子

「レコーディングは歌詞の世界観を理解すると同時に、集中力がとても必要で、たとえば『I'm proud』ならワンフレーズ目の「Lonely」だけで何テイクやったか分からないくらい、プロデューサーさんが納得いくまで続けました」

――当時21歳で、すごいです。

「若いから理解が難しいこともありました。高音も“これ以上のキーは出ない!”と限界を感じましたが、歌っていくうちに緊張が取れ、“私を誇りに思う”という言葉の意味を知り始めるんです」

――とてもストイックな仕事ぶりです。まだ、遊びたい年頃ですよね。

「いや、全然、遊んでましたよ(笑)。1週間休みのときは、それまでまったく寝ていなくても仕事直後から遊びに出ていましたしね。
 それに、仕事後はテンションが上がっているから、余計に遊びたくて。当時は警備の方が2人ついていて、どこへ行くにも一緒だったので、一度、帰ったふりをして出かけるんです」

――巻くんですね(笑)。

「“24時間待機しているから、必要なときは連絡してください”と言われているんですけど、若い私は窮屈さもあり、解放されたい気持ちが強かったですね。
 少しでも離れたいから、“コンビニで何でもいいから、ご飯を買ってきてください”とお願いしたりして」

――そりゃ、そうですよ!ちなみに、どんなところで遊んでいたんですか?

「いつもカラオケか、下北沢の路上で、かくれんぼをしたり(笑)。同時期にデビューした同年代の子たちと遊んでいました。メンツがすごいので言えないんですけどね」

――きっと大スターたちですよね……。バレなかったですか?

「みんな、変装がうまかったんです。マスクを買うために、24時間営業の麻布十番の城南薬局(現・くすり城南)に行ってたんですけど、芸能人とよく鉢合わせましたね。当時は、今ほどマスクが浸透してなくて、“マスクしている人=風邪”と思われていたから、避けられるんですよ」