『エリザベート』、『モーツァルト!』など数々の名作に出演するミュージカル界のトップ俳優であり、多くのテレビドラマに出演。音楽番組やバラエティ番組でも活躍を見せる山崎育三郎さん。彼が長年抱いていた「日本のオリジナルミュージカルの制作」という夢を実現させる日がやってくる。12歳でミュージカルデビューを果たし、その後29歳で迎えた大きな転機。ミュージカル界とテレビメディアの橋渡し役として果たしてきた役割や、『昭和元禄落語心中』における「助六」という役との出会いなど、チャレンジングな日々を力強く、そして軽やかに語ってくれた。【第2回/全4回】

ドラマで出会った『昭和元禄落語心中』の世界をミュージカルにするという7年越しの思い。すべては、「日本のオリジナルミュージカルを作りたい」という思いがベースにある。その思いは様々なミュージカルの名作に出演する中で大きく膨らんでいった。
「ミュージカルをいろいろやらせていただくなかで、ブロードウェイのチームともご一緒させていただくんですが、そのときによく言われたのが、“僕たちの作品をやってくれるのは嬉しいんだけど、君たちは日本の、日本人にしか作れないミュージカルを作らないのか?”と。そのたびに“そうだよな”と思っていたんです。日本人だからこそ作れるミュージカルがあるはずだ、という思いはどんどん大きくなっていきました」