妻は娘を育てながら、お父さんとしてのぼくを育ててくれてる

 確かに、女性は赤ちゃんがおなかに宿ったと知った瞬間から、10か月近くかけて母親になるが、男性が父親を自覚するタイミングは人それぞれかもしれない。

「ぼくの場合は、娘が生まれたのと同時に、お父さんも生まれたという感覚です。ですから、妻は娘を育てながら、お父さんとしてのぼくを育ててくれてる。大変ですよね(笑)。そして、お父さんのぼくが生まれる前から、妻はお母さんとしておなかの中で娘を育てていた……。もう尊敬しかないし、一生頭が上がらないと思ってます」

 育児に積極的に関わっている山里だが、毎日がただただ愛しくて楽しく、大変だと感じることはひとつもないという。

「たぶん、父親は……というかぼくがズルいんだと思うんですよ。本当に大変だったりしんどいことは全部妻がやってくれて、ぼくは素敵な時間を一緒に過ごしているだけ。もちろん、娘が泣いちゃったりすることもあるけれど、それもかわいいし、楽しい」

 2歳になる長女はずいぶんしっかりしてきたとのことで、こんなかわいいエピソードを披露してくれた。

「うちは、妻とぼくとが交代で彼女の寝かしつけをするんですけど、どうやら最近は、ぼくのほうが娘から寝かしつけてもらっているらしいんですよね。寝室が静かになって妻が“寝た?”って声をかけると、娘がぼくをトントンしながらうなずくらしい(笑)。ぼくの成長が、まったく娘に追いついていないんです」

 ぼやきながらも、トレードマークである赤いメガネの奥の瞳からは、娘への愛情があふれ出ていた。

(つづく)

山里亮太(やまさと りょうた)
1977年4月14日生まれ。千葉県出身。関西大学3年のときに、吉本興業のタレント養成所「NSC大阪校」に入学。2003年、しずちゃん(山崎静代)とお笑いコンビ「南海キャンディーズ」を結成し、司会、ナレーション、俳優など幅広いジャンルでも活躍中。声優として主な出演作は『ONE PIECE STAMPEDE』(2019年)、『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』(2023年)、『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』など。

●作品情報
映画『しまじろうとゆうきのうた』
3月14日(金)全国ロードショー
声の出演:南央美 高橋美紀 山崎たくみ 鈴木真仁 稲葉実
ゲスト声優:ファイルーズあい 山寺宏一 岡村明美 山里亮太(南海キャンディーズ)
主題歌:「ゆうきのうた」小野あつこ
公式サイト: https://kocha.benesse.ne.jp/kodomo/open/movie/2025/