キネマ旬報新人賞、ブルーリボン新人賞などを受賞した主演デビュー映画『愛の新世界』から、強い輝きを放ってきた鈴木砂羽。現在は俳優業のほかバラエティ番組でも活躍し、絵の才能や飾らぬ人柄も知られているが、悩みが多かった時期もあったという。仕事から体調面まで、包み隠さず語る鈴木さんのTHE CHANGEとは――。【第3回/全4回】

本業の俳優としての活躍はもとより、主に30代後半から、バラエティ番組でも爪あとを残している鈴木さん。裏表のない素顔に加え、『プレバト!!』(TBS系)などで見せている絵の才能にも定評がある。
――鈴木さんがコシノジュンコさんを演じている、公開中の映画『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』は家族の物語ですが、鈴木さんもご両親からの影響は受けていますか?
鈴木さんの祖父・鈴木貞夫さん、ご両親は、みな画家として活動した。
「影響は大きいです。本当に個性の強い父と母で、そこでの環境が私を作っているので。まあ私もこうなるわなと」
――鈴木さんは特にマンガがお好きですよね。
「いつもマンガがある環境だったので。しかも“成人向け”を隠さない親でした。そうしたものを通じて、男女のあれやこれやを子どもの頃から知っちゃったりして。だから早熟でした。人生を知ってるわけじゃないんだけど、そういった意味で早熟だから、感覚的に、周囲の子の中では浮いているときもあったと思います。小学生くらいまでだとね」
――“成人向け”を隠さないというのは。
「成人向けの本やマンガが普通に家に置いてあったんです。父も母も芸術家だし、いろんな絵をたくさん見ていたし、タブーがなかった。ただ、若い両親で一生懸命“親”をやろうとしているところはあったので、よくわからないところで怒ってきたり、理不尽なことを言ったりということもありました。母は理想が高くて、父は我が強い。そうした中にあって、自分は余計に大人だったところがあるかなと思います。ともかくいろんなものが家にあったので、感性が育まれた。今の自分のベースを形成してくれたなと思います」