共演者とは、そのときに仲良くできていれば、それでいい

「昔からずっと出していきたかったんです。でもちょっとサブカルだったし、あまりメジャーシーンにはいかない感じのものもあったので、そんなに見せてきていませんでした。でもいまは“何を出しても大丈夫”って感じです」

――話が戻りますが、早熟だった幼少期は周囲からちょっと浮いているところがあったと。中学生以降になるといかがでしたか?

「似たようなタイプの友達ができたりしていきました。いまでもそうした子とは仲がいいです」

――芸能界でのお付き合いは、一期一会が多いとのことでしたが。

「子どものころに出会ったそういう友達がいるから、芸能界のお付き合いに固執していなかったのかもしれません。共演者とは、そのときに仲良くできていれば、それでいいから。私には、いまも続いている友達がいっぱいいる。そういう宝物があるんです。この前も一緒に飲みに行きました。」

――長く続いているんですね。

「今日の朝も、ふと“私って、そういう仲間や友達がいて、親もまだ元気だし、猫も可愛い”と思って。そうすると、足りないものって、ないんですよね。幸せです」

 鈴木さんはほほ笑みながら、自分を囲む幸せに思いを馳せた。

鈴木砂羽(すずき・さわ)
1972年9月20日生まれ、静岡県浜松市出身。 94年に映画『愛の新世界』で主演デビューを果たし、第37回ブルーリボン賞新人賞、キネマ旬報新人賞、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞などを受賞し、一気に注目の俳優となる。以来、ドラマ、映画、舞台とジャンルを問わず活躍。バラエティ番組への出演でも人気を博す。さらに舞台演出やマンガの執筆など、俳優業以外の面でも活躍し、支持されている。主な出演作にドラマ『相棒』シリーズ、大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』、連続テレビ小説『まれ』ほか。最新出演映画『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』では世界的ファッションデザイナーのコシノジュンコを演じている。

『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』
監督・撮影:曽根剛
脚本:池田テツヒロ
出演:大地真央黒谷友香、鈴木砂羽、水上京香、温水洋一、木村祐一、市川右團次
配給・製作:日活、東京テアトル