若干１３歳でデビューし、伸びやかで卓越した歌声によって、センセーションを巻き起こしたクリスタル・ケイさんが活動２５周年を迎えた。ハートウォームなラブソング『恋におちたら』をはじめ数多くのヒットを放ち、近年はブロードウェイミュージカルにも出演。音楽活動で培った演技力は、読売演劇⼤賞の優秀⼥優賞を授かるなど、高く評価されている。
いつも笑顔でハッピーなオーラをまとうクリスタルさんだが、人知れず悩んだ時期もあったとか。本インタビューでは、これまであまり語られなかったであろう彼女の素顔と“ＴＨＥ ＣＨＡＮＧＥ”を深掘りしていく！【第５回／全５回】
単身で乗り込んだニューヨークでの約２年間の音楽修行で、自分と向き合い、自分の誇りを取り戻せたというクリスタル・ケイさん。そこでの気づきから、歌う目的も大きく変わったという。
「ニューヨークでは、孤独を味わったり、自分のルーツに向き合ったりしたことで、自信が持てなかったそれまでの自分を肯定し、褒（ほ）めてあげようと思えたことは、すごく大きな収穫でした。
それより前の私は、自分のことしか考えられなくて視野が狭くなっていたり、心に余裕がなくなっていたんですよね。でも、“きっと私の歌を聴いてくださるみんなも、私と同じように悩んだり迷ったりしているんだろうな。これからは、そうした悩みを共有しながら、みんなと一緒に成長していきたい。成長していけるような歌を歌わなきゃ！”という気持ちに、自然とシフトできたんです。
“音楽って楽しみながら作るものなんだ”ということを、再発見できたこともすごくよかったです。日本で制作していると、とてもきちんとしているし間違いがないんだけど、その反面、細かな確認が多かったりしてクリエイションの難しさを感じることもあって。ニューヨークでは、音楽を作ることを誰もが楽しんでいるのが分かったし、細かな確認は後回しにしてもいいから自由に作ろう、ベストな音楽を作るんだという空気にあふれていました。それを肌で感じられたことは、とてもいい学びになりましたし、私にとってすごく大切な“ＴＨＥ ＣＨＡＮＧＥ”だったなと思います」
