「チームで作品を作っているという幸せに魅了されていました」
共演者に名を連ねるのは、体罰があったと主張する保護者・氷室律子役の柴咲コウを始め、妻・希美を木村文乃、週刊誌記者・鳴海を亀梨和也、薮下の弁護士に小林薫、氷室側の弁護士が北村一輝と、実力派俳優たち。
「肉体的にも精神的にも揺さぶられる瞬間はありましたが、それは“よーい、スタート”から“カット!”の間だけで、それ以上に、チームで作品を作っているという幸せに魅了されていました」
物語は、氷室律子の視点から始まる。その後、体罰はしていないという薮下の視点にチェンジする。観る側は、同じシチュエーションが視点を変えるだけでまったく違って見えることに戸惑うが、演じる側はどのように役作りをしていったのだろうか?
「芝居に関しては、いかに差をつくらないかということを意識しました。まったく違って見えるのは、光の具合や座る位置、カメラのアングルや切り取り方などで、景色や印象はいかようにも表現できます。例えば分かりやすく差をつけてアプローチすることもできますが、その選択肢はありませんでした」