「売れなくてもいい。歌手になりたい」
「最初から、“歌ったり楽器をやったり歌詞を書いたり、ファッションについてはできるけど、バラエティはできない。人前で喋れないし、面白いこととか言えないし”と言っていたのに……。でも周りのみんな、ほんとうに全員が“いや、バラエティに向いている”と言うんです」
歌手になる、という明確なビジョンを持って芸能界入りした千秋さんは、必死で願った。「売れなくてもいい。歌手になりたい」と。そんな確固たる信念がやわらかにCHANGEしたのは、堺正章さんのこんな言葉だったという。
「芸能界は、売れることよりも、長くやることが大事なんだよ」
「ご本人ではなく、周りの人から聞いたんです、堺さんがよく言っていて、ご自身もそのスタンスなんだって。バーンと売れて落ちる人はたくさんいる。長くやることこそ難しい世界なんだ、って。
“だからバラエティをやったほうがいい”と10人中10人が言うから、“わかった、もういいよ! まな板の上の鯉になるから”って」
事務所には「バラエティで売れたら絶対歌手にさせてください」と念を押したが、「ハイハイ」と軽めに承諾。以降、千秋さんはことあるごとに「いつ歌手にさせてくれるんですか」と毎日のように尋ねつづけたという。
ーーその後『ウリナリ!!』でポケットビスケッツが結成され、願い続けた歌手デビューが果たされます。千秋さんは前身番組『ウッチャンウリウリ!ナンチャンナリナリ!!』(同)から引き続いてのレギュラー出演となりましたが、出演のきっかけは?
「初めて出演したのは、『天然珍獣ウドラー捕獲大作戦』という企画で、怪獣になったウド鈴木さんを捕まえる、っていう」