「オレは出たくなかった」と語る理由は…

――出来上がった作品をご覧になったときは。

「めちゃくちゃ面白かったです。豊田にも言いましたよ、“なんやったら、オレは出たくなかった。観客として観たかったわ”って」

――エンディングには、チバユウスケさん率いるバンド「The Birthday」の「抱きしめたい」がかかります。事前に知っていましたか?

※チバユウスケ・・・1991年から2003年までTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、2006年から2023年までThe Birthdayのボーカルとして活動したミュージシャン。2023年4月に食道がんの治療に専念することを発表し、同年11月26日に55歳で逝去した。

「いや、試写で初めて見ました。“うわあ、ここでチバさんか”と。僕はチバさんとは一度食事をご一緒させていただいただけですが、チバさんと豊田といえば龍平が主演した『青い春』(02)ですよね。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの曲がなければ、『青い春』はないでしょうし、今回の映画にも本当に合っていて、豊田組を感じました」

 完成した『次元を超える』は、観客として楽しみたかったと話したジュニアさんだが、ジュニアさんだからこそ、存在感バツグンの阿闍梨が生まれたのは間違いない。

(つづく)

千原ジュニア(ちはら・じゅにあ)
1974年3月30日、京都府生まれ。1989年に吉本興業の大阪NSCに8期生として入所し、実兄の千原せいじとお笑いコンビ、千原兄弟を結成する。96年より東京に進出。2001年にはオートバイ事故に遭うも復帰を果たす。バラエティ番組のみならず、ジャンルを問わない活躍を見せている才人。俳優としては97年に映画『岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇』で主演デビューし、『HYSTERIC』(00)で第10回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞した。最新出演作は、『ポルノスター』(98)、『アンチェイン』(01)、『ナイン・ソウルズ』(03)でも組んだ豊田利晃監督作『次元を超える TRANSCENDING DIMENSIONS』。

●作品情報
『次元を超える TRANSCENDING DIMENSIONS』
監督・脚本・エグゼクティブプロデューサー:豊田利晃
エンディングテーマ:The Birthday
出演:窪塚洋介、松田龍平、千原ジュニア、芋生悠、渋川清彦、東出昌大板尾創路、(声の出演)窪塚愛流
製作:豊田組
配給:スターサンズ
公式X :https://x.com/jigen_movie