日本のトップを走るアナウンサー・古舘伊知郎。現在は司会者としても活躍する傍ら、自身のYouTubeチャンネル『古舘伊知郎チャンネル』で時事問題を語るなど、活動のフィールドは多岐にわたっている。昨年12月に古希(70歳)を迎えたが、その“しゃべり”は一向に衰えを見せない。年末から来年3月にかけては、ライフワークのひとつでもあるトークライブ『トーキングブルース』も敢行する。そんな古舘さんのTHE CHANGE、人生の変化とはーー。【第1回/全4回】

古舘伊知郎 撮影/河村正和

 テレビ朝日入社後の1977年から担当したプロレス中継番組での独特な実況スタイルは、“過激実況”と称され人気を博す。その後に挑戦した、F1中継で当時スタードライバーだったアイルトン・セナに「音速の貴公子」との呼称を付けると、その呼び名は瞬く間に世間に広がり、スターアナウンサーとしての地位を確たるものにした古舘さん。生まれながらのおしゃべり好きと見られがちな古舘さんだが、幼少期は以外にも「無口だった」という。

「本当ですよ。わざとギャップを強調しているわけじゃなくてね。ただ、根っからの無口じゃなかったと思うんです。きっともとから、しゃべり好きな人間だった。だけど幼稚園にも行っていないような小さな子が初めて触れる社会である家庭で、“無口だ”と決めつけられたのが大きいのかなと。うちは母や父、姉が、みなおしゃべりが達者だったんです。それでふた言目には、“伊知郎は引っ込み思案で無口だからね”と言われていました」