世界の並み居るスターたちと、授賞式のレッドカーペットを歩いた第９４回アカデミー賞で、主演作『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞を獲得。自身も第５６回全米映画批評家協会賞主演男優賞に輝くなど、日本に留まらない評価を受ける西島秀俊。２０２３年には、ハリウッドのタレントエージェンシーと契約し、公開待機作がずらり控える。　　Ｐｒｉｍｅ　Ｖｉｄｅｏにて１２月１９日（金）より配信スタートとなるＡｍａｚｏｎ ＭＧＭスタジオ製作の新ドラマシリーズ『人間標本』では主演を務め、“イヤミスの女王”湊かなえ原作の禁断のミステリーで重層的な芝居を見せている。そんな西島さんのＴＨＥ　ＣＨＡＮＧＥとは。【第１回／全４回】

西島秀俊　撮影／有坂政晴　へメイク／亀田 雅　スタイリスト／オクトシヒロ

　大学時代に俳優活動をスタートさせた西島さん。積み上げてきた年月も、国際的な評価もある。日本を背負うスターといっていいが、取材中の西島さんからは、一切おごりが感じられない。

「西島秀俊です」。動画でのひと言コメントをお願いすると、自己紹介とともにペコリと頭を下げてからコメントをくれた。そんな姿にも人柄がにじむ。

　しかし、ひとたび役に入れば別人だ。新作『人間標本』では、蝶に魅せられ「人間も一番美しい時に標本にできれば」と、息子を含む６人の少年たちを手にかけ、禁断の「標本」を作り上げたと告白する男・榊史朗を熱演している。