LUUPで爆走しながら滑舌トレーニング!?「乗りながら練習しています(笑)」
──三島由紀夫が書いた戯曲で、登場人物は全員が女性、しかも男性俳優だけで演じるという舞台です。この点への抱負はいかがでしょう。
「女性役はこれまでにも経験があるので(舞台『お気に召すまま』ロザリンドなど)、女性役を演じること自体に不安はないです。三島さんの作品は、男性の視点から女性の魅力や、時には嫌な部分までをも、文章の力で驚くほど生々しく描き出しているんです。
僕らが、女性に絶対かなわない部分にまで迫れる──、それは間違いなく絶対面白い作品になるだろうと思います。それに、僕が役者として尊敬している篠井英介さんも、かつて演じた役でもあります。そのことを思うと、自然と背筋が伸びますね。篠井さんの解釈に比べたら、いまの自分が“セリフの1行でさえ理解できているのか”と、ひるみそうになりますが(笑)、それでもこの挑戦を心から楽しみにしています」
──これからの共演を楽しみにしている俳優の方を特に挙げるなら?
「先日、東出昌大さんと初めてお会いしたんですが、一瞬で“この方と一緒なら安心できる”と波長が合いましたね。真面目で無骨そうなのに、自分のやりたいことが明確に見えている方だな、という印象を抱いていたら、その通りのとても素直な人で真っすぐな方でした」
──そしていま、稽古や本番に向けて実践していることはありますか?
「ストレッチをしたり、インナーマッスルを鍛えたりという準備を毎日やっています。あとは滑舌(かつぜつ)ですね。LUUPに乗りながら練習しています(笑)」
──成宮さんもLUUPに乗るんですね!?
「自宅からトレーニングジムまで行くとき、乗ります。でも、さすがに信号で止まったときは、目立つので練習はしないです(笑)」
成宮にとって初めての舞台出演、そして俳優デビューになった2000年の『滅びかけた人類、その愛の本質とは…』で演出を手がけた宮本さんと、25年ぶりのタッグ。「僕のデビューのきっかけを作ってくれた、人生を変えてくれた方です」という恩人との舞台に、静かに燃えている。
つづく
■成宮寛貴(なりみや・ひろき)
1982年9月14日生まれ、東京都出身。2000年、宮本亞門演出の舞台『滅びかけた人類、その愛の本質とは…』で俳優デビュー。以降、2002年にドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)の野田猛役として話題になり、2004年『下弦の月 ラスト・クォーター』で映画初主演を務めた。テレビ朝日系『相棒』シリーズでは3代目相棒・甲斐亨として2012年のシーズン11からシーズン13まで出演。2025年にABEMAドラマ『死ぬほど愛して』主演・神城真人役で8年ぶりに俳優活動を再開した。
ヘアメイク:INOMATA(&’s management)
スタイリスト:杉長知美
衣装クレジット:ジャケット¥62,700、シャツ¥25,300、パンツ¥30,800、ブーツ¥63,800/LAD MUSICIAN(LAD MUSICIAN HARAJUKU 03-3470-6760)
リング¥83,600〜/MARIHA(MARIHA 03-6459-2572)
※税込価格です
■作品情報
【公演名】『サド侯爵夫人』
【作】三島由紀夫
【演出】宮本亞門
【出演】成宮寛貴 東出昌大 三浦涼介 大鶴佐助 首藤康之 加藤雅也
【東京公演】 2026年1月8日(木)~2月1日(日) 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
【大阪公演】2026年2月5日(木)~8日(日) 森ノ宮ピロティホール
【愛知公演】2026年2月13日(金)・14日(土) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
【福岡公演】2026年2月17日(火)・18日(水) 福岡市民ホール 中ホール
【公式サイト】https://tspnet.co.jp/sade/