◼︎田中さんは長内総理に同情「『必死に頑張って総理になったんだよな』って、ジーンときました」

天海「多少、石丸さんに合うよう脚本も色をつけられていて、増えたり減ったりしている部分もあるのですが、そういうところもやっていて、すごく面白かったですね」

田中「僕は最後、長内さんにちょっと同情できたんですよ。最後に佐々木くんが演じた森下とのカットバックのシーンを見て『この人たちも頑張って生きてきたんだよな。長内さんも必死に頑張って総理になったんだよな』って、ジーンときました。森下の『あいつは世間的には総理だけど、俺にとってはヨットクラブの仲間だ』っていうところも、『そうだよな、そういうもんだよなぁ』と胸に来るものがありました。それが素晴らしいなと思うんです」

石丸「ある重要なシーンでは、監督から『あなたの亡くなったヨット仲間の着ていたヤッケ(軽量で動きやすく、防風・防汚機能を備えた作業服の一種)の色が、今締めているネクタイの色です』って言われて。それをつけて会見に臨むんです」

––––そんなところにまで伏線回収があったとは!

田中「それで長内さんが自分のネクタイをちょっと触っていたんだ! これは何回も映画を見たらより分かりやすいですね」

石丸「そんなことまでは言葉になっていないけど、長内総理の服の色がどんどん明るくなっていくのは意味があるんだよということも含めて、常廣監督のこだわりなんですよ」

田中「最初、長内総理は真っ青のスーツを着ていましたが、あまりに鮮やかな青色だったので違和感がありました。でも、後に常廣監督に聞いたら『あれは海の色なんです』と言われて、なるほどと思いました」

 誰かが撮影時のエピソードを語り出すと「そうそう」「あの時はさ」と、話は尽きないようだ。それにしても、総理のネクタイやスーツなど、その時に着用しているものの色にまで意味が隠されていたとは……。つい作品の一ファンとして、ほかにも何か、1回見ただけでは分からない、こだわりのポイントはありませんか?」と、もっと聞きたくなってしまった。

 次回は、キントリのチームワークの素晴らしさから取調室の現場で行われている意外な行動まで、関係者しか知り得ないエピソードをお届けする。

つづく

天海祐希(あまみ・ゆうき)
1967年8月8日、東京都生まれ。87年に宝塚歌劇団へ入団し、93年には月組トップスターに就任し、カリスマ的な人気を博す。その2年後に退団するも、舞台のみにとどまらず映画、テレビドラマなどで幅広く活躍する。『BOSS』シリーズ(フジテレビ系)、『女王の教室』シリーズ(日本テレビ系)、『離婚弁護士』シリーズ(フジテレビ系)など代表作多数。1月30日に声優をつとめた『クスノキの番人』が公開になった。

田中哲司(たなか・てつし)
1966年2月18日生、三重県出身。日本大学芸術学部卒業後、2015年、舞台『RED レッド』で紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。近年の主な出演作に映画『ドールハウス』『正体』、ドラマ『イクサガミ』(Netflix)、『緊急取調室』シリーズ(テレビ朝日系)、『らんまん』(NHK)。2026年度1月から放送の大河ドラマ「豊臣兄弟!」に安藤守就役で出演。舞台「欲望という名の電車」が3月12日より東京劇術劇場シアターイーストで公演。

石丸幹二(いしまる・かんじ)
1965年8月15日、愛媛県生まれ。90年にミュージカル『オペラ座の怪人』でデビュー。現在は映像・舞台・音楽と幅広く活躍中。主な出演作に、ドラマ『京都人の密かな愉しみ』(NHK)、NHK大河ドラマ『晴天を衝け!』、『半沢直樹』(TBS系)など。映画『雪風-YUKIKAZE』、『太陽とボレロ』など。舞台『ジキル&ハイド』、『ラブ・ネバ―・ダイ』などがある。

作品情報
劇場版「緊急取調室 THE FINAL」
12月26日(金) 全国公開 
脚本:井上由美子
監督:常廣丈太
音楽:林ゆうき
出演:
天海祐希 田中哲司 速水もこみち 鈴木浩介 大倉孝二 塚地武雅 比嘉愛未 野間口 徹 工藤阿須加 中村静香 生島勇輝 丸山智己
佐々木蔵之介 石丸幹二 
勝村政信 徳重 聡 山崎 一 平泉 成 小野武彦
杉咲 花 眞島秀和 草刈正雄 でんでん 小日向文世
主題歌:緑黄色社会「さもなくば誰がやる」 (ソニー・ミュージックレーベルズ)
配給:東宝
公式サイト:https://kintori-movie.jp/
(C)2025劇場版「緊急取調室 THE FINAL」製作委員会
2025年12月26日(金)より全国公開中。