実際に東京地裁に見学へ「裁判官を演じるうえでの気持ちの持ちどころの答え合わせができた」
松山は役作りの参考にするべく、実際に東京地裁に見学に訪れた。
「法廷ってドラマや映画だと弁護士や検事が声を荒げたりと、ドラマチックに描かれることが多いじゃないですか。判決を言い渡されるときって、その人の人生の何かが変わる瞬間なのかなって思っていたので、緩急のある空気感なのかなと。でも、実際に見る限りだと、とても淡々としていました」
――犯人が泣き崩れてしまったりするようなイメージがあったので、意外です。
「そうですよね、僕もすごく不思議でした。でも考えていくうちに、司法と法廷っていうのは、あらゆる感情とは切り離されたところに存在するんだなって思ったんです。裁判官っていうのは、あくまでも感情ではなく、中立で客観的な立場にいるんだなということを改めて感じて、裁判官を演じるうえでの気持ちの持ちどころの答え合わせができたと思っています」
また、ASDとADHDという特性を持った役を演じるにあたり、当事者同士が意見交換をするグループケアの現場も見学した。
「参加されている方たちといろいろお話しさせていただきましたが、話しているだけでは、ASDやADHDという特性を持っているかどうかは分からないんです。それに、ASDだからこう、ADHDだからこう、という決まった型があるわけでもないということも感じました。人それぞれ、持っている特性は違う。そんな中で印象に残ったのが、会話の中で生まれる“ズレ”でした。ドラマのなかでも描かれていますが、そのズレの感覚を、お芝居の中で生かしていきたいと思っています」