ストーカー行為をされた後輩も「仕事後、送り届けてそのまま自宅の前で張るんです。出掛けると…」
マネージャーが元ファンだったことから生じた人間関係のトラブルや、金銭面で「クリアではなかった」問題、さらに。
「『このお仕事がこの金額……?』と疑問をあらわにすると『文句を言うなら回しません』とマネージャーに言われたことがあり、今までの実績から考えても、そうした状況には違和感があって」
ーーそういった経緯もあったんですね。
「『これはおかしい』と声を上げても、事務所としてはマネージャーがいなくなるのは困るので、状況が変わらないこともありました。ストーカー行為をされた後輩もいます。仕事後、送り届けてそのまま自宅の前で張るんです。出掛けると『夜、でかけましたよね』と突っ込まれる。プライベートまで監視されるなんておかしい、と思いました」
三石さんは「守られるべき役者がそんなことで悩んだりするなんて、時間のムダ。仕事に集中できる環境であってほしい」と憂慮する。独立してからも、次々と話題作に出演し、同時にナレーターとしても実績を積む。順調にキャリアを歩んできたように見える三石さんだが、悩むこともあったという。
「フリーランスだとテレビ局とのつながりが弱く、なかなかお仕事をいただくのが難しいんだなと、実感する日々です。それでも『三石さんにお願いしたい』とおっしゃってくださる番組もある。そう言っていただけると『頑張ろう!』、『サービスいっぱいしちゃおう!』と思いますし、喜んでいただけるように仕事をしたいなと思っています」
『新世紀エヴァンゲリオン』で、葛城ミサトとして次回予告ナレーションを担当していた際、最後に必ず「サービス、サービスぅ」という決めフレーズで締められていたのを覚えている読者も多いだろう。ミサトの明るい声色と軽快な口調が印象的な、この“サービス”という言葉。三石さんにとっての“サービス”には、作品への愛と、制作者への真摯な思いが込められている。
つづく
みついし・ことの
1967年12月8日生まれ、東京都出身。勝田声優学院を経て1989年に声優デビュー。卒業後に劇団あかぺら倶楽部を結成し、舞台での活動も行う。着実にレギュラーやヒロイン役を演じる中、1992年に『美少女戦士セーラームーン』で主人公の月野うさぎ/セーラームーンを、1995年には『新世紀エヴァンゲリオン』で葛城ミサトを演じて国民的声優に。2005年からは『ドラえもん』で野比玉子を担当している。2021年には『リコカツ』(TBS)で初の連ドラレギュラー出演、2024年にはNHK大河ドラマ『光る君へ』に出演、ナレーターとしても活躍の場を広げている。