「根拠のない自信」で乗り込んだ東京は衝撃の連続
そのまま大阪に軸足を置く選択肢はなかったのか。
「全くなかったです。全国で勝負したい、もっと有名になりたいという野心があったし、松竹からはTKOさんが東京へ行って、ようやく成功していた頃でもありました。TKOさんは大阪では長いこと腐ってたのに、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)という華やかな舞台で、バンッとブレイクした。だったら、(すでに売れてる)自分たちなら、東京でもすぐいけるやろと。根拠のない自信だけで東京に乗り込みました」
東京で見る風景は、驚きの連続だった。まず、物価の高さに驚いた。外で昼食をとろうにも、大阪時代の予算では全然足りない。家を借りる際には、大阪の不動産慣習にはない「更新料」の存在に驚いた。さらに驚いたのは、街行く人々のオシャレさだ。
「俺らよりええ服着て、ええ身だしなみのオシャレな犬を連れとる人が多くて、ホンマびっくりしました」
特に衝撃だったのは、オシャレな街としても知られる六本木で遭遇した人だ。
「六本木へ初めて行った時、ステッキ持って歩いてるおっちゃんがおったのは忘れられませんね。衝撃ですよ。ステッキ持っとるがな! って大騒ぎ。東京オシャレやなあ、すごいなあって」
心機一転、新しい風景ばかりが目に映る東京だったが、キャリアが“リセット”されてしまうのは想定外だった。根拠のない自信はブーメランとなって、那須さんと中西さんにその根拠のなさを突きつける。次回は上京後の苦悩の日々を語ってもらう。
(つづく)
■作品情報
『いまのところ』(双葉社)
著:中西茂樹(なすなかにし)
発売日:2026.02.18
予価:1,650円 (本体1,500円)
判型:四六判
ISBN:9784575320510

