“役者でいるより演出家でいる、演出の立ち位置にいるほうが、自分は好きなんだな”と気が付いた
演出家として舞台を構築するうえでの「料理の腕」はどのように上げていったのだろうか。
「場数を重ねたということもあるとは思いますけど、なかでも大きいのは、“自分が好きだということに気がついて作るようになった”ということが大きいかもしれないです。ちょっと語弊があるかもしれないですけど、“役者でいるよりも、演出家の立ち位置にいるほうが、自分は好きなんだな”ということに気がついたんです。だから、“その好きなことを少しずつ広げていこう”とシンプルに思えた、というのが大きかったかなと思います」
4歳のときから大衆演劇の世界で舞台に立ち、その道を長く続けてきた早乙女さん。そのなかでたどり着いた「好きなんだな」という思い。
「そこに対しては、元をたどると僕は、大衆演劇も、女形をやるのも嫌いだし、反発の中で頑張ってきたところがあったんです。でも、その大衆演劇の世界から一回離れたんですね(※2015年に劇団朱雀を解散し、個々の活動に入った)。
離れることによって自分のルーツを見つめ直したり、自分が何をやるべきかということをとらえ直すことができました。僕の目標は“自分のルーツである場所を、いかに自分の手で幸せな場所にできるか”なんだ、ということに気づけたんです」