俳優から演出家、そして大学教授へ。「若者たちの成長に泣いています」
――その後は、大規模な商業演劇から小劇場の作品まで、幅広く出演されていますね。
「お客さんの反応が、じかに伝わる舞台のライブ感が好きなんです。もちろん、映像には映像の面白さがあって、岩井俊二監督の『FRIED DRAGON FISH』(93年)をはじめ、メモリアルな作品はいっぱいあります」
――09年には演出家の肩書きも加わりました。
「当時は芸映が運営する養成所があって、ときおり、後輩たちに演技指導をしていたんです。その流れで、ユニット劇団の旗揚げ公演の演出をすることになりまして。現在の大学の仕事は、そこからつながっているような気がします」
――大学では、どういうことを教えているんでしょう。
「私は演劇の指導をしていますが、学生は役者志望だけではなくてメディアや制作側に進む人もいるので、表現のスキルとしてコミュニケーション能力の重要性なども教えています。
個性や能力はそれぞれ違いますから、そこも見極めながらの授業ですね。短期大学なので指導は2年間ですけど、卒業公演のたびに若者たちの成長を感じて、泣いています(笑)」
――歌手、俳優、演出家、大学教授と肩書きが増える一方ですが、今後の活動は。
「昨年のライブで歌う楽しさを味わえたので、音楽活動は、これからも続けていきます。『ID85(85年にデビューした松本典子さん、網浜直子さんとのユニット)』も継続が決定して、今年は4月にディナーショー、5月に大阪でのコンサートを開催しました。
3人だと心強くて、いろんなことにチャレンジできるし、話し合ううちに、いろんなアイデアが湧いてくる。そういうことが一緒にできる仲間がいることが嬉しいし、皆さんに楽しんでいただけるものをお届けしたいと思っています」
芳本美代子(よしもと・みよこ)
1969年、山口県生まれ。85年『白いバスケット・シューズ』で歌手デビュー。90年、ミュージカル『阿国』出演を機に俳優業にシフト。現在は大阪芸術大学短期大学部教授を務める一方、ユーチューブチャンネル『みっちょんINポッシブル』を更新中。2025年、デビュー40周年を迎え、音楽活動を再開し、全楽曲の配信もスタート。6月10日・11日の舞台『喝采〜「イヴの総て」より〜』に出演。