「彼は何ごともなかったみたいに全然変わらない態度で私に接してくれた」パートナーの存在がさらに、自身を強くした

 このアルバムをともにつくり上げたのが、デビュー以来、石川さんのコンサートステージを支えてきた、音楽プロデューサーの山田直毅氏だ。山田氏は、伝説のアイドルグループ・キャンディーズのバックバンドMMPに所属しながら彼女たちへ楽曲提供を行ってきたほか、3人組バンドのBEGINや小林幸子さんなど、幅広いアーティストの楽曲を手がけてきた。いわゆるミュージシャンズ・ミュージシャンであり、1993年からは、公私ともに石川さんのパートナーだ。

「さきほどもお話ししたように、B型肝炎を発症してからは、本当にいろいろな経験をしました。そんななかで、当時はまだ結婚してはいませんでしたが、彼は何ごともなかったみたいに全然変わらない態度で私に接してくれたんですよ。
 いつもと変わらない優しさとユーモアいっぱいのギャグを言ったりしてね(笑)。変わらないということが、どれほど私の力になったかしれません」

石川ひとみ 撮影/有坂政晴

 身近な誰かが病気になると、どう接したらよいのかとまどってしまう人も多いだろう。また、気遣ってかけたはずの言葉が、かえって相手を傷つけてしまうこともある。過度に反応したり、変に距離を置いたりするのではなく、いままで通りの距離感で接することが心の支えになるのかもしれない。

「私の周りには、大変な病気と闘っている方が大勢いらっしゃいます。そんなとき、私もすごく悩むんですよ、どうすればいいのかなって。すでに頑張っている人に対して、“がんばってね”と言うことで、かえって相手を傷つけてしまうこともありますから、ときにすごく難しいなと感じることもありますね。
 そんなとき、夫がしてくれたことを思い出し、もしかしたらたいして言葉はいらないのかもしれないなって。それまでと同じように、できるだけ、少しでも相手に寄り添えるよう……。そうなれるように努力したいですね」