1990年代、雑誌『メンズクラブ』の専属モデルとしてキャリアをスタートし、正統派のイケメン俳優として活躍していた沢村一樹。しかし、30代で自身の殻を破るべく、バラエティ番組でまさかの“ネタ”を解禁し、お茶の間の大人気に。幅広い役柄を演じ、ドラマ、映画、CMと多方面で第一線を走り続ける彼のTHE CHANGEとは――。【第1回/全2回】

沢村一樹 撮影/河村正和

 僕は役者をやりたくて上京したんですが、最初は男性向けファッション誌でモデルをやっていました。その当時はバブルの真っ只中で景気も良く、世の中がすごく活気があって、モデルの職業だけでも十分に食べていけていました。

 でも、齢を重ねていくうちに、「このままズルズル行っちゃうんじゃないかな」って焦ったんです。このままでいいのかなと20代半ばの頃に思いました。

 もちろん、役者なんてやったことがなかったから、本当に出来るかどうかは分からなかったんですが、本当にやりたいことに向き合えていなかった。物理的には満たされていたけど、精神的にはそうじゃなかったんです。それで「これはヤバいぞ、ピンチだ」って思ったんですね。

 その後、俳優デビューのチャンスに恵まれて、役者の仕事もいただけるようになったんですが、今度は32歳ぐらいのときに、仕事に対するモチベーションに迷いが出てきた時期がありました。

 というのも、僕がいただける役というのが、主人公がいて、ヒロインがいて、そのヒロインを横取りしようとするエリート・サラリーマンのような役柄が多かったんです。もちろん、ありがたいことではあったのですが、もっといろんな役に挑戦してみたいという気持ちがあって。おのずと仕事に対してのモチベーションも下がってきてしまったんです。

 でも、いま振り返ると、それは自分に責任があったと思います。たぶん当時の自分には、そういう芝居しか出来なかった、そういう技量しか持っていなかったんだろうなと。