「“愛とは行動することである”って、“何だそれは!?”」

 高見沢の口からは、少年時代に感銘を受けた名言が次々と飛び出す。

「ほかには、デカルトの“我思う、故に我あり”とか。そういう言葉に、いちいち反応していましたね。理屈っぽい面倒くさい少年だったかもしれませんね(笑)。

“愛とは行動することである”って、“何だそれは!?”みたいな。確かに、動かないと愛なんて成立しないよな……、“まず、ナンパしろってことかな!?”みたいな(笑)。そんなバカなことを発想してしまう高校生でもありました。

 昔の人の言葉って、10代のときは、どうせジジイの戯言だろと思っていましたけど、よーく読み解いていくと、実に深みがある。聖書の時間でも、先生が聖書の言葉を読み解いてくれるのが面白かったし。あの頃って、スポンジがグワーっと水を吸収するように、何でも入ってくるんですよね。

 10代のうちに、たくさんの本を読んできましたから、そのときの気持ちは、今も心の中に残っています。頭の柔らかいときに本をたくさん読んだことが、確実に身になっていますね」