ずっと「俳優って何か」ってことを考えている

 若い頃の僕からしたら、「ちょっとお前、大丈夫か」って言われることができるようになった……。一周回って、こっちのほうが良いんだってことに気付いたということですかね。

 仕事の部分でいうと、ずっと「俳優って何か」ってことを考えているんです。収入を得るためにやっているとはまた違うし、たくさんの作品に出れば良いということでもないだろうし。別の例えでいうと、ダンサーは踊る人のことだけど、じゃあ踊らない人はダンサーじゃないのかって。踊れるダンサーが真っ直ぐ、ただ立っているだけの時間があったら、表現としてそれは踊りではないのか……っていう押し問答になるようなことが必要になってくるんだと思うんです、俳優って職業は。答えがない仕事だとも言われるじゃないですか。そういう表現の場にいるんだってことは忘れたくない。台本をもらって、それを覚えて、現場に行く……というやるべきことをこなしたからといって、すべてのことをやっていることにはならないと思うんですよね。そんなことを考え続けるジジイにこの先もなっていくんじゃないのかな、たぶん(笑)。

吹越満(ふきこし・みつる)
1965年2月17日生まれ。青森県出身。A型。T168。近年の主な出演作に、『Winny』(2023)、『リボルバー・リリー』(2023)、『Love Will Tear Us Apart』(2023)、『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(2024)、『フロントライン』(2025)、『アフター・ザ・クエイク』(2025)、『未来』(2026)、ドラマでは「9係」&「特捜9」全シリーズ(2006~2025)、「キンパとおにぎり~恋する二人は似ていてちがう~」(2026)、「東京P.D.」(2026)、6月28日から放送の「勿忘草の咲く町で~安曇野診療記~」などがある。6月12日公開の主演映画『鍵』、6月27日公開映画『バナ穴BANA_ANA』の上映を控える。

映画『鍵』
余命半年の宣告を受けた、工務店を営む剣持(吹越)は、年の離れた妻・郁子(菅野恵)を案じ、部下の木村(小出恵介)と郁子を浮気させようと画策するが……。谷崎潤一郎原作の同名小説を令和の現代に大胆にアレンジした官能問題作。
監督:いまおかしんじ 脚本:いまおかしんじ/松本稔
出演:吹越 満 菅野 恵 小出恵介 丸純子 那波隆史 佐倉 萌 新藤まなみ 釜國まひろ 治田 敦
6月12日(金)より東京・シネマート新宿ほか全国順次公開
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
(c)2026「鍵」製作委員会