オファー前から読んでいた原作 演じるにあたり感じたのは…
“美代子”のように、子どもたちへ一心に愛情を注ぐ母親もいるが、最新出演作の映画『汝、星のごとく』で木村が演じる“志穂”のように、心を病んで娘を縛り付ける母親もいる。
「わたし、原作を書かれた凪良ゆうさんの小説が大好きで、この作品も出版されてすぐに買って読んでいたんです。もし映像化するとしたら、どなたが演じられるのかしら……と思っていたら、“暁海”の母親役でお声がけいただいて、とても嬉しかったです。それと共に、難しい役だな、とも思いました」
2022年に発表された恋愛小説『汝、星のごとく』は、瀬戸内海の島で出会った“青埜櫂”と“井上暁海”の15年にわたる愛と選択の物語。幅広い読者から熱烈に支持され、翌年には第20回本屋大賞を受賞し、シリーズ累計発行部数200万部を超える人気作だ。“青埜櫂”を横浜流星、“井上暁海”を広瀬すずが演じる。
「わたしが演じた“井上志穂”は、夫が不倫して家を出て行ったことで心のバランスを崩している女性なので、集中力と精神力、体力が必要な役でした」
高校を卒業後、“櫂”は夢を叶えるために上京するが、“暁海” が精神的に不安定な母をひとりにすることはできない、と島に残る選択をする。
「“志穂”は『わたしだけがこんなに大変なんだ。絶対にわたしを置いて行かないでほしい』という気持ちでいっぱいになったり、でも精神状態が比較的落ち着いてくると、娘を縛り付けていることに罪悪感を覚えたり……。若い人の時間を奪うっていうのは、きついですよね。というか、あれは夫が悪いんですよ! ハッキリしないから!」
“志穂”の夫であり“暁海”の父親は、別の女性と隣の島で暮らしていて、それがさらに、状況を複雑にしている。