薫との出会いで私服を変えることに
「たとえば、京都で違う作品の撮影をしたとき、夜に飲み屋さんに入るじゃないですか、女将さんがね、“あら、薫ちゃんやないの! うれしいわあ。薫ちゃん飲んでって”と言ってくださったり。公園でロケ中、近くの売店まで飲み物を買いに行くと、“あらあんた、ダメじゃないの、早く美和子ちゃんと結婚しなさい”と言われてしまったり」
ーー薫に親近感が湧きすぎて、ドラマと現実を混同してしまうんですね。
「そうそう、実は弊害もあったんですよ。薫ちゃんの衣装、最初は革ジャンの予定だったんです。でも撮影が寒い時期ではなかったので、豊さんから“それでもいいけど、暑いぞ”と言われて、たしかにと。
そのとき普段、僕、薫ちゃんみたいな格好をしていたんですよ。それでフライトジャケットとカーゴパンツで着てみたら“それくらいでいいんじゃない”となって。“でもこれ、普段の格好ですよ”と言うと、“いいじゃん似合ってるから”って。
だから『相棒』が浸透してくると、普段その格好ができなくなっちゃって。“あいつ、普段から亀山になりきってるよ”って言われちゃうから。そういう弊害はありましたね」
ーーたしかに、それは弊害です(笑)。
「そこからガラッと、普段着る服の系統を変えて。普通のGパンになりました」
薫との出会いで、まさか私服を変えることになるとは。さらに変化は、芝居の仕方にも及んだ。