俳優・東出昌大。彼が歩んできた道は、他の誰とも異なっている。映画デビュー作『桐島、部活やめるってよ』で注目され、NHK朝ドラ『ごちそうさん』でブレイク。売れっ子となりながらも一転、壮絶な非難の対象に。しかし、そこから再び映画や、過酷なバラエティ番組などでも引っ張りだこになる存在となった。そんな東出さんのTHE CHANGEとはーー。【第1回/全4回】
夕日が差し込むビルのバルコニー。少し伸びた感のある髪とヒゲを生やした東出昌大さんが見上げるはるか頭上を、飛行機が横切っていく。ほんの3年と少し前まで、爽やかなイメージを持たれていた東出さんだが、現在は山で自給自足、狩猟生活をしている。都会の街とのコントラストを感じさせる空気があった。
取材者が「父が猟友会に入ってたんです」と伝えると「そうなんですか!」と東出さんの目が輝く。2017年に出した写真集をきっかけに狩猟免許、猟銃の所持資格を取得しているのだ。「どこの県ですか?」とひとしきり“山ばなし”で盛り上がり、取材者が子どもの頃にすずめの焼き鳥を食べていた話をすると、「すずめはいいんですけど、つぐみは捕っちゃダメなんですよね。すごく美味しいらしいんですけど」と教えてくれる。
席に座る東出さんからは、いわゆる“取材”という構えた空気ではなく、「これからおしゃべりしましょう」といった雰囲気が漂う。
ひろゆきこと西村博之氏とアフリカを横断したバラエティ番組『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』(ABEMA)や、ゲストで登場した『5時に夢中!』(TOKYO MX)、ラジオ番組『ナイツ ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)などでの飾らない素顔には、好意的な声が多く聞かれる。3年前に端を発するイメージの急落による反動もあってか「東出、いいよね!」との評価が視聴者の間で優勢に思える。そうした声は当然、東出さん本人にも入っているはず。
俳優としての作品も、バラエティへの出演も、評判がいいですよね、と投げかけると、意外な返事が返ってきた。
「ヤバイなと思ってます」