長嶋さんの小説を6人の女性漫画家がコミカライズ
11月、 雁須磨子さん、コナリミサトさん、丹羽庭さん、鶴谷香央理さん、三本阪奈さん、米代恭さん、旬な女性漫画家6人が長嶋さんの小説をコミカライズした『いろんな私が本当の私』が出版された。
長嶋「今回6人の漫画家さんに描いてもらえたんだけど、ネームのやり取りは平田さんにかなり任せました。それですごく引き締まった気がする。10年以上前に同じようなことやってるんですよ」
石川「ああええ、分厚い本を読みましたよ」
長嶋「最初の『長嶋有漫画化計画』は吉田戦車さんが参加してくださったりとか、それはそれですごい面白いものになったんだけど、なんかそれはちょっと雑多な良さっていうか、悪く言うと、ちょっと同人誌っぽいというか……。それは版元の人が漫画の編集者ではなかったし、僕も漫画が好きだけど、プロじゃない。でもその良さもあったかもしれない。だから同じことを2回やってもしょうがないから、ここはもう平田さんに託そうと」
コナリ「どんどん続いてってほしいですよね。シリーズとして、いろんな漫画家が描く長嶋さんの作品をいっぱい見たいですよね。私もすごい楽しかったし、自分の手癖がわかるっていうのが面白かった」
――(編集・平田)「皆さん作家性が強いので、オリジナル作品といっても通じると思いました。原作の小説を取り込んで、自分の作品にして出力をする仕方が皆さん違ったのでとても勉強になりました」
コナリ「小説と照らし合わせて読んでも面白いですよね。このシーンを削ったんだな、とか、ここを強調したんだな、とか」
長嶋「コナリさんが描いてくださった『もう生まれたくない』は長編なので全編を漫画にできないじゃないですか。僕が嬉しかったのは、今回脇役になった根津さんと小波さんがちゃんとキャラクターが立っていて」
コナリ「いやー! 嬉しい!」
長嶋「漫画の中では根津さんと小波さんは脇役だから活躍しないんだけど、この顔の根津さんと小波さんが原作の別のエピソードの時には生き生きしているであろうということを伺えるように描いてくれました。コナリファンが原作に手を伸ばした時に、コナリさんの絵を想像して楽しめるじゃないですか。すごくいい3人組に描いてくれてありがとうございました」
コナリ「いや〜。本当に楽しかったですよね」
長嶋「もちろん6人ともご苦労されたと思うんだけど、どっか楽しんでくれた気がする」
――(編集・平田)「というか、全員楽しかったっておっしゃってるから異常だな、この状況は、と思いました笑」
石川「ハハハハハハ!」
コナリ「私も、はい!」