“あの”ブームの発生はアンジーがきっかけだった

 メジャーデビューして間もなかった頃のレピッシュを語る上で欠かせないのが『ポコチンロック』というジャンルだ。アンジーやレピッシュ以外にも、筋肉少女帯や、カステラ(*トモフスキーがボーカルを務めていたバンド)などを巻き込み、音楽雑誌にも度々取り上げられていた。

「アンジーが、“いろんなジャンルがあるけれど、あえてジャンル分けをするならポコチンロックだ”って言ったんです。それを聞いて、“僕たちもポコチンロックでいいよ“っていって、そこから始まった。BUCK-TICKも、あえてジャンル分けするならば、ポコチンロック!

 今井(*今井寿、BUCK-TICKのギタリスト)だけ、“僕はポコチンロックじゃありません”って否定していたけれど(笑)。あっちゃんは(櫻井敦司さんの声マネをしながら)“ポコチンロックです”って言っていたよ」

MAGUMI 撮影/松野葉子

 同日デビューであり、同じレコード会社だったBUCK-TICKとは、バンドを超えて交流があった。なかでもボーカル同士、櫻井敦司(愛称・あっちゃん)とはよく飲んでいたという。

「一番長い時は、あっちゃんの家に2日間泊まったことがあるね。飲んだりゲームしたりしたら2日経っていた。そうしたらあっちゃんが(櫻井さんの声マネをしながら)“MAGUMIさん。お寿司食べに行きませんか。今日はお家に帰りましょう”って言ったんだよ」

 その後、櫻井さんとお寿司を食べたMAGUMIさんは自宅へと帰った。お酒好きな櫻井さんも音を上げるほど、MAGUMIさんは飲み続けていたようだ。