バンドを40年続けられた理由
幅広い交友関係を誇るMAGUMIさんだが、デビュー当初は同年代が少なくて心細かったと語る。
「プロになって初めてできた友達がバービーボーイズのエンリケ。彼はデビューが早かったから同じ年がいなかった。だから僕を見て“やっと同じ年が来たよ”って喜んでくれた。バービーは同じ事務所だったから、扱いとしては兄弟バンドみたいなもんだったのかな。でも僕たちは本当に態度が悪くて酷いことばかりしていたから、バービーのメンバーは“田舎者がはしゃいでいる”って冷ややかな目でみていたんじゃないかな(笑)」
83年に結成以来、40年もの長きにわたりバンド活動を続けてきたモチベーションを問うと、意外な理由が返ってきた。
「僕も、どうしてここまでレピッシュを続けられたのかは、わからないところもある。BUCK-TICKの場合だと、あっちゃんが亡くなってしまった。彼らもそのままずっとバンドが続くと思ってやってきたのだと思う。
僕たちも一緒でそういう感じだった。だからレピッシュは解散ではなくて、活動休止っていう形にした。でも一回解散して再結成したほうが、お金儲けができるんですけれど(笑)」
櫻井敦司さんは、23年10月19日に脳幹出血のため57歳の若さで急逝した。その早すぎる別れは、ファンや音楽業界の仲間たちに大きな衝撃を与えた。冗談を交えながらも、盟友ともいえるあっちゃんとのエピソードを語るMAGUMIさん。そこには、同年代を生きたバンドたちへの尊敬があった。
MAGUMI(まぐみ)
1963年生、熊本県出身。ミクスチャーバンド・LA-PPISCH(レピッシュ。“A”はウムラウト付き)のボーカル、トランぺッター。87年にシングル『パヤパヤ』でメジャーデビュー。レピッシュは05年に活動休止をするも、07年に活動再開。バンド・MAGUMI AND THE BREATHLESSのボーカルも務めている。